国民が参加しやすい刑事裁判の実現に向けて(2005年11月)

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1.裁判員制度の下での刑事裁判 国民が参加しやすい裁判

 裁判員の参加する刑事裁判では,普段は裁判と関わることの少ない国民の皆さんに刑事裁判に参加していただくことになるわけですから,裁判官,検察官,弁護人といった法律の専門家が中心となって行ってきたこれまでの刑事裁判とは,その内容や進め方が大きく変わることになります。

図版:これまでの刑事裁判。事件で真に争いとなっているところ(争点)のほかに,事件に至る経緯や事件後の状況等の事実関係についても広く審理の対象とされることがありました。裁判員の参加する刑事裁判。争点を絞って審理をコンパクトに。公判前整理手続において争点はどこかを明確lこした上で,争点に絞ったメリハリのある審理を行います。 そうすることで,裁判員が争点についての判断をしやすくなります。これまでの刑事裁判。たくさんの証拠が靱り開べられていました。裁判員の参加する刑事裁判。必要な証拠を吟味。争点の判断に必要不可欠な証拠lこ絞って取調べが行われることになります。 これまでの刑事裁判。証拠の多くが書類であり,裁判官がこうした書類を読み込んで理解していました。裁判員の参加する刑事裁判。書証中心の証拠調べの見直し。法廷での審理で見たり聞いたりすることによって理解できるようにします。例えば,実際に法廷lこ証人に来てもらい,直接その人の口から証言してもらうというやり方が増えると思われます。 これまでの刑事裁判。ごく一部ではありますが,審理の回数が多く,その間隔も間いているため,裁判が長期化する事件もありました。裁判員の参加する刑事裁判。事前に審理の予定をきちんと定めて,審理の回数を限定し,かつ,裁判をできるだけ連日行うことにより,裁判に要する期間が格段に短くなります。

2.国民が参加しやすい刑事裁判の実現に向けた取り組み

  •  最高裁判所をはじめとして全国各地の裁判所では,検察庁や弁護士会とも協力して裁判員裁判の模擬裁判を実施し,国民の皆さんにとって分かりやすい審理をするためにはどのような工夫が必要か,どのような点を改善しなければならないかを検討しています。
     裁判員制度にふさわしい新たな刑事裁判の運用を実現するため,今後も試行錯誤を重ねて,制度の施行までに,国民の皆さんにとって参加しやすく,また分かりやすい審理を実現します。
  •  国民の皆さんにも分かりやすく,迅速な審理を行うためには,入念に裁判の準備をすることが必要です。そのために,平成17年11月1日から,「公判前整理手続」という新しい手続が導入されました。
     公判前整理手続では,
    • 検察官と弁護人の主張を聴き,真に争いがある点(争点)はどこかを絞り込みます。
    • 裁判所,検察官,弁護人が一緒になって,争点を立証するためにはどのような証拠が必要か,それらの証拠をどのような方法で調べれば裁判員にとって最も分かりやすいか,などを検討します。
    • 公判の日程をどうするか,証拠調べにはどのくらいの時間を当てるか,証人はいつ尋問するかなど,判決までのスケジュールを立てます。