バックナンバー第23号(2008年12月24日)

トップページ > 裁判員制度メールマガジン > バックナンバー第23号(2008年12月24日)

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 裁判員制度メールマガジン    第23号 2008年12月24日発行
       裁判員制度ウェブサイト http://www.saibanin.courts.go.jp/
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  今日はクリスマス・イブ!街中にジングルベルのメロディーが流れていま
 すが,いかがお過ごしでしょうか。ささやかなクリスマスプレゼント!?裁
 判員制度メールマガジンをお届けします!
  なお,バックナンバーは裁判員制度ウェブサイトのメールマガジンのペー
 ジにてご覧いただけます。
━━■ 目次 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 「トピックス」 各裁判所での取組
 ■ 「いよいよ最終回!僕の裁判員体験記」
 ■ 「編集後記」 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「トピックス」 各裁判所での取組~実施を5か月後に控えて~
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  裁判員制度の開始日である平成21年5月21日まであと5か月となり,
 各地の裁判所では裁判員制度に関連した様々な取組を行っています。
  今号では,東京地方裁判所と札幌地方裁判所の取組についてご紹介します。
  ○東京地方裁判所
  東京地方裁判所では,事前の申込みを受けて,刑事事件の傍聴後に裁判員
 制度の説明会を実施しています。
  また,企業,自治会,学校などからの依頼を受け,平日昼間に限らず,夜
 間や休日でも,裁判官や書記官が裁判員制度の出張説明会に出掛けています。
 この出張説明会では,依頼団体の希望するテーマに応じて,裁判員制度の概
 略等を説明しています。
  この他,東京地方検察庁や在京三弁護士会の協力の下,日本語が理解でき
 ない被告人のために通訳を配置するなどのケースを含めた本格的な裁判員模
 擬裁判を70回以上実施し,検証を重ねています。
  施行まで間近に迫った裁判員制度を円滑にスタートするために,引き続き,
 広報活動や模擬裁判を通じて万全の準備に努めたいと考えています。
  ○札幌地方裁判所
  クリスマス・イブの今日,札幌の大通公園ではホワイト・イルミネーショ
 ンが美しく輝いています。裁判員制度の施行まで5か月となりました。
  北海道での課題は,その広さや,大雪等による交通障害の頻度が高いこと
 と,一次産業に従事する方々の割合が高いことです。
  このため札幌地裁では,地方の都市でも説明会やフォーラムを開催したり,
 独自に農業や漁業関係者に対してアンケートを実施するなどして準備を進め
 て参りました。平成21年2月には競走馬の産地として有名な新ひだか町で
 フォーラムを開催する予定です。
  また,12月からは「体験!裁判員セミナー」という評議を体験していた
 だく講座を定期的に開催しています。選ばれたら何をすればいいんだろう,
 という不安をお持ちの方に,裁判官が案内役となって裁判員ってこういうこ
 とをするんだ,ということを実感してもらえればと考えています。
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「いよいよ最終回!僕の裁判員体験記」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
         ~これまでのお話しはこちらから~
  第1回 http://www.saibanin.courts.go.jp/melmaga/bn080827.html
  第2回 http://www.saibanin.courts.go.jp/melmaga/bn080924.html
  第3回 http://www.saibanin.courts.go.jp/melmaga/bn081029.html
  第4回 http://www.saibanin.courts.go.jp/melmaga/bn081126.html
   ◆平成21年8月31日(月)◆
  大役を果たした僕は,意気揚々と会社に出勤した。裁判員の経験談を聞こ
 うとみんなが僕を取り囲んだ。
 「裁判員って,結構大変だったよ。僕が担当したのは放火事件でね。被告人
 は犯行を認めてたんだけど…」
 「でも,やってよかったよ。裁判って意外に分かりやすかったし…」
 「そりゃぁ,被告人の刑を決めるときはみんなで相当議論したんだ。もちろ
 ん僕も意見は言ったさ。議論の内容?それは言えないよ。守秘義務があるか
 らね。法廷で見たことはいくらでも話せるけど…」
  話は尽きない。部長も輪の中に入ってきた。
 「裁判,どうだった?知らない人たちと議論するのに,堪忍袋は役に立った
 だろう?なんて言ったって,人生で大切な3つの袋…」
  冷たい空気が辺りを包む。部長はそれを察したのか,話題を変えて,
 「そういえば,裁判所に出頭したことの証明書はもらってきたか?休暇の事
 務処理に必要だって言ってあっただろう」
 「ええ,もちろんもらってきましたよ。後で提出しておきます」
  みんなは静かに席に戻った。
   ◆平成21年9月16日(水)◆
  今日は少し失敗した。裁判に参加したときの交通費と日当が振り込まれた
 ことを会社で話してしまったのだ。
 「おまえ,有給で休んでおいて,日当までもらうなんて許されるのか?」
  噛みついてきたのはやっぱり村田先輩だった。
 「いや,先輩,日当は,裁判員の職務の対価じゃないから,会社の給料と二
 重取りの関係にはならないんですよ(って裁判所で聞きました)」
 「あっそうなの。でも,おまえの代わりにK社との打合せに出たの,だれだ
 ったかなぁ…。いやぁ,あのときはホントーに大変だったなぁ…。ああ,腹
 減ったなぁ…」
  やっぱり村田先輩は怖い人だった。今日,僕の日当は焼肉に化け,村田先
 輩と僕の胃袋に入っていった。
   ◆平成21年10月28日(水)◆
  裁判員を経験してから,僕はずいぶん変わった。いつもなかなかアグレッ
 シブになれなかった自分が嘘みたいだ。この数か月で,大きなプロジェクト
 を任された。部長は「我が社の運命は君が握っているんだ」とまで言うけど,
 そんなにプレッシャーに感じない。
  そういえば,僕が妻にプロポーズしてからもうすぐ1年経つ。あのころの
 僕は,妻との甘い結婚生活を想像して夢見心地だったが,まさか,裁判員も
 こなすことになろうとは思いもしなかった。
  今日も,大きな取引先と交渉をまとめてきた。家に帰って妻に話すと,
 「うん,よかったね。最近,すごく頼もしくなってきたよね」
 とお褒めの言葉。しかし,僕がどんなに成長しても,やっぱり妻にはかなわ
 ない。
 「今週末,温泉旅行の予約しちゃった。裁判員の日当ももらったはずだし,
 連れてってくれるよね?」
  まさか,既に日当が焼肉に化けて,村田先輩と僕の胃袋に消えたなんて,
 言えるわけがなかった。
 (おわり?)
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「編集後記」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  今号では,裁判員制度に関する東京地裁と札幌地裁の取組をご紹介したほ
 か,「僕の裁判員体験記」最終回をお送りしましたが,いかがでしたでしょ
 うか。
  今年も残すところあと一週間となりました。今年は,制度の実施を来年に
 控え,4月に来年5月21日から裁判員制度が始まることが正式に決まった
 り,11月末には「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」が送付されたり
 と,大きな出来事が目白押しの1年でした。この間,メルマガでもご案内し
 た様々な広報活動に取り組んだほか,多くのメディアでも裁判員制度が取り
 上げられたためでしょうか,裁判員制度ウェブサイトのアクセス数やメルマ
 ガ登録者数が増えてきています。編集部としても,みなさんの裁判員制度へ
 の関心の高まりをまさに実感しているところです。来年5月21日の裁判員
 制度実施に向け,これまで以上に気を引き締めて,みなさんの疑問や期待に
 応えられるようなきめ細やかな広報活動を展開していきたいと思っています。
 もちろん,このメルマガでもますます充実した内容でお届けしていきます!
  次号の配信は,年明けとなります。新春にふさわしい企画も考えておりま
 すので,どうぞお楽しみに!
  では,よい年をお迎えください。
 (編集部)
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
裁判員制度メールマガジン配信の解除,変更はこちらから
http://www.saibanin.courts.go.jp/melmaga/index.html
裁判員制度へのご意見はこちらから。このメルマガに返信されても最高裁
判所には届きません。
saibanin.goiken2009@courts.jp
=====================================================================
発行元 最高裁判所事務総局広報課
電話:03-3264-8111(内線3156)
裁判員制度キャッチフレーズ
私の視点,私の感覚,私の言葉で参加します。
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyrights(c) 2008 Supreme Court of Japan. All Rights Reserved.